理事長挨拶

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一般社団法人日本超音波検査学会
理事長 尾羽根 範員

このたび一般社団法人日本超音波検査学会の理事長を拝命しました尾羽根 範員(おばね のりかず)です.これまで地方会委員会から総務委員会を経て,種村前理事長のもと副理事長に就任し,同時に精度認定プロジェクト委員長を務め,「超音波検査室の精度認定制度」の事業展開に携わりました.現在,当初の予定より遅れをみせてはいますが,精度認定事業に連動して標準走査法や各種マニュアル類の整備やアップデートを進め,当会独自の認定制度の運用開始を喫緊の課題として取り組みます.

当会では以前から「eラーニング」の充実を図っており,多くの動画コンテンツをホームページに収載しマルチデバイス対応も進めています.いくつもの行事が中止や延期に追い込まれた新型コロナウイルスの感染拡大の際にも,それらが学習の場を提供する活動として有効であると考えています.今後の感染動向を読むことは難しく,いつ以前の状態に戻るのか,本当に戻すことができるのか,残念ながら確かなことは申し上げられませんが,リモート開催,現地開催,それぞれの長所短所を見極めて安全で効果的な学術活動の新様式を追求します.

超音波検査における手技の重要性については常々意識しており,2010年に第35回学術集会で学会長を務めた際に技量向上をテーマとしましたし,2017年から開発に取り組んだ乳房超音波ファントムもその思いを具現化したものです.今期,理事長を拝命しこの「技量向上」を一歩進めて検査手技の査定と担保について取り組みたいと思っています.最近話題にのぼることの増えたAIによる診断が進歩したとしても,判読に値する画像を得るためには検者の技量が不可欠ですし,描出する技量と判読能力を切り離せないのが超音波検査の特性だと考えていますので,先に述べた「精度認定」や「eラーニング」ともリンクしつつ「技量向上」の新たな展開を目指したいと思います.

このコロナ禍を逆手にとるぐらいの意識をもって事業を展開し会員サービスの向上に努めたいと考えています.皆さまのご支援とご協力を賜りますようお願いいたします.