平成21年度学術賞が決定しましたので報告いたします.
顕彰委員会および理事会にて検討を重ね,当会機関誌「超音波検査技術」の第34巻1号~6号に掲載された論文より平成21年度理事長賞を決定いたしました.
学術奨励賞は第34回日本超音波検査学会(鹿児島市)で発表された一般演題より選考した候補8編のうち7編が論文として「超音波検査技術」に投稿されましたので学術奨励賞が確定しました.
なお,学術賞の授賞式は平成22年5月9日第35回日本超音波検査学会(大阪市)にて執り行いました.
<理事長賞>
尺骨神経の超音波像の基礎的検討とその有用性について
瀬戸 智恵子(東海大学医学部付属八王子病院)
[授賞理由]
近年,整形外科領域の超音波検査の関心は高まり,研修会などが行われているが,まだまだ広く普及するには至っていない.現在は,肘部管症候群や手根管症候群などは,電気生理学的検査が主流となっている.本論文は,健常者の尺骨神経を神経伝導検査と併せて,尺骨神経のエコーパターンや断面積について手関節部から腋窩まで広範囲に渡って検討している.このように詳細に検討をしたのは,国内では初めてであり,「蜂の巣様構造のパターン分類」は初めて取り組みである.また,尺骨神経障害における超音波像についても検討しており,本論文はこの新たな分野における超音波検査の発展の基礎となる論文であり,理事長賞にふさわしいものである.
<学術奨励賞>
- 開心術前後の局所左室心筋障害の評価
内田 文也 (三重ハートセンター) - 3D経食道心エコーを用いた僧帽弁逸脱の定量評価―手術所見との比較―
筑地 日出文 (倉敷中央病院) - 超音波パルスドプラ法による自己血管内シャント機能評価の有用性
山本 裕也 (大阪バスキュラーアクセス 天満中村クリニック) - 超音波パルスドプラ法を用いた肝切除後の肝血流動態の検討
栁原 美智子 (北里大学東病院) - 肝硬変における門脈血流測定の有用性
櫻井 直子 (横浜総合病院) - トリプルネガティブ(TN)乳癌における画像的特徴の検討
吉田 佳代 (札幌ことに乳腺クリニック) - 唾液腺腫瘍の良悪性鑑別の検討
望月 幸子 (静岡県立静岡がんセンター)