Sonolearning 修正変更一覧

一般社団法人日本超音波検査学会
会員の皆様へ

学会ホームページのSonolearningに掲載されている中で,一部誤りと修正がございましたので,ここに訂正しお詫び申し上げます.
以下,修正変更箇所についての一覧をご確認のうえ,参考にされてください.

一般社団法人日本超音波検査学会 HP教育委員会


〔2024.03.07 改訂〕

●2023 健診領域 (2023年12月25日公開分) 設問5

  • (訂正前)
    【解説文】
    膵癌の1症例である.
    膵体部から尾部にかけて境界不明瞭,輪郭不整,内部不均一な低エコー腫瘤像を認める(動画1,静止画1).主膵管に拡張を認めないものの,腫瘤部で途絶しており同部より尾側に腫瘤の存在が疑われた(動画2,静止画3).
    本症例は,膵体部から尾部に実質のエコーレベルの低下,腫瘤より頭側の主膵管の途絶を認め,膵腫瘍疑いカテゴリー4判定区分D2とした.膵の限局性腫大として拾い上げるのであれば膵臓の変形カテゴリー2判定区分Bとなるため,内部エコーレベルや主膵管走行を注視すべきである.

  • (訂正後)
    【解説文】
    膵癌の症例である.
    膵尾部に境界不明瞭,輪郭不整,内部不均一な低エコー腫瘤像を認める(動画1,静止画1).腫瘤頭側の主膵管には明らかな拡張を認めずsmoothである(静止画2).腫瘤像と胃との間には脂肪組織を認め,胃とは接していなかった(静止画3).本症例は,低エコー膵腫瘤疑いカテゴリー4,判定D2とした.なお,限局的腫大とした場合はエコーレベルの低下所見でカテゴリー4,判定D2とすることが可能である.

●2023 体表領域 (2023年12月25日公開分) 設問4

  • (訂正前)
    【問題文】
    正しいものはどれか.

  • (訂正後)
    【問題文】
    最も考えられるものはどれか.

●2023 腹部領域 (2023年12月25日公開分) 設問6

  • (訂正前)
    【選択肢】(A)および【解説文】
    前立腺肥大

  • (訂正後)
    【選択肢】(A)および【解説文】
    前立腺腫大

●2023 腹部領域 (2023年12月25日公開分) 設問10

  • (訂正前)
    【解説文】
     症例は悪性リンパ腫である.脾臓サイズは正常であり脾臓中央部から脾門部に約3㎝大の低エコー腫瘤を認める(静止画1).腫瘤は境界明瞭で分葉状,後方エコーの増強を認め,腫瘤内の血流シグナルは乏しい(動画1).
     脾血管腫は明瞭な境界を持つ均等な高エコーの結節を示すことが多い.脾嚢胞は明瞭な境界を持ち無エコーを示すものの,感染性脾嚢胞の場合は壁肥厚や内部無エコーや高輝度エコーの混在を認め充実腫瘤とは異なる.脾損傷では出血や損傷に準じた低エコー領域を認めるものの,鑑別点は境界不明瞭な点である.
     脾原発良性腫瘍には過誤腫,類上皮腫,血管腫,海綿状リンパ管腫などがあり,悪性腫瘍には悪性リンパ腫,血管肉腫などが挙げられる.悪性リンパ腫は血液疾患であるため,他臓器原発の悪性リンパ腫が脾臓に転移,浸潤する頻度は50 ~ 80%と高いが,これに対し脾原発悪性リンパ腫の頻度は全悪性リンパ腫の 1~ 2.6%と稀である.

    参考文献
    1)増田あい他.腹部超音波検診で発見され経過中に破裂した脾原発悪性リンパ腫の1例.日本消化器がん検診学会雑誌.Vol.54 No.3 p 410-417.2016.

  • (訂正後)
    【解説文】
    症例は悪性リンパ腫である.
     脾臓サイズは正常であり脾臓中央部から脾門部に約3㎝大の低エコー腫瘤を認める(静止画1).腫瘤は境界明瞭で分葉状,後方エコーの増強を認め,腫瘤内の血流シグナルは乏しい(動画1).
     脾血管腫は明瞭な境界を持つ均等な高エコーの結節を示すことが多い.脾嚢胞は明瞭な境界を持ち無エコーを示すものの,感染性脾嚢胞の場合は壁肥厚や内部無エコーや高輝度エコーの混在を認め充実腫瘤とは異なる.脾損傷では出血や損傷に準じた低エコー領域を認めるものの,鑑別点は境界不明瞭な点である.
     脾原発良性腫瘍には過誤腫,類上皮腫,血管腫,海綿状リンパ管腫などがあり,悪性腫瘍には転移性脾腫瘍や悪性リンパ腫などが挙げられる.日常診療において発見される転移性脾腫瘍の頻度は稀であり,約0.03%との報告がある.原発巣は卵巣癌,肺癌,大腸癌,胃癌など様々である.転移性脾腫瘤は辺縁低エコー帯を伴うことが多い.
     悪性リンパ腫は血液疾患であるため,他臓器原発の悪性リンパ腫が脾臓に転移,浸潤する頻度は50~80%と高いが,これに対し脾原発悪性リンパ腫の頻度は全悪性リンパ腫の1.0~2.6%と稀である.脾原発の悪性リンパ腫としては内部エコー均一な低~極低エコーで境界不明瞭な多発性の類円形腫瘤像の場合が多いとされ,腫瘤中心に高エコー域を伴うことが多い.さらに腫瘤が大きくなり壊死性変化を伴うと内部に高エコーな部分がより顕著をなるが石灰化やcystic changeはみられない.しかし本症例のように典型例と少し異なる所見を呈することもあるため,他の画像診断などを踏まえて評価する必要がある.


〔2023.01.11 改訂〕

●2022 健診領域 (2022年12月23日公開分) 設問05

  • (訂正前)
    【選択肢】(C)
    カラードプラではバスケットパターンを呈す.

  • (訂正後)
    【選択肢】(C)
    腫瘤内部および辺縁に血流シグナルを認める.


〔2022.04.28 改訂〕

●2021 体表領域 (2022年02月21日公開分) 設問02

  • (訂正前)
    【選択肢】(D)
    充実性パターンで,10mm以上でD/W>0.7なので精密検査を要する.

  • (訂正後)
    【選択肢】(D)
    充実性パターンで,5mm以上でD/W>0.7なので精密検査を要する.


〔2022.03.18 改訂〕

●基礎領域「超音波の基礎を理解するための設問集(5)」 (2020年03月09日公開分) 設問05

会員より不適切との指摘をいただきました.委員会内で協議し,不適切問題と判断しましたので,当設問を削除いたしました.


〔2021.04.27 改訂〕

●基礎領域「超音波の基礎を理解するための設問集(1)」 (2020年03月09日公開分) 設問02

  • (訂正前)
    【選択肢】(E)
    PZTの振動子から送信するパルス幅とプローブ直下の生体内のパルス幅は一致しない.

    【解説文】(E)
    振動子と生体との間に整合層が存在し、その整合層を通過することによって、パルス幅を短くする役目もある.

  • (訂正後)
    【選択肢】(E)
    PZTの振動子から送信されるパルス幅とプローブ表面から送信されるパルス幅は一致しない.

    【解説文】(E)
    PZTを使用した圧電振動子の音響インピーダンスは生体組織と比較して数十倍である.その音響インピーダンスの差を調整するために生体と圧電素子の間に整合層をおく構造にすることにより,反射が軽減され結果としてプローブ表面から送信されるパルス幅は短くなる.よって両者のパルス幅は異なり一致しない.


〔2021.03.17 改訂〕

●2020 体表領域 (2021年02月17日公開分) 設問05

  • (訂正前)
    【選択肢】(E)
    慢性甲状腺(橋本病)を合併する場合がある.

    【解説文】(A),(C)

  • (訂正後)
    【選択肢】(E)
    慢性甲状腺炎の経過中に発生する場合がある.

    【解説文】(A),(D)

【解説追記】
参考としてドプラ画像を掲載したが、ドプラについての詳細な検討を行った報告はなく,本症例も血流信号から腫瘍の存在を疑うことは困難であると考えられた.