「第23回研究発表会」のお知らせ

ごあいさつ

日本超音波検査学会第23回研究発表会
発表会会長 細野 明男

 前回の研究発表会は東京のすみだリバーサイドホテルにて開催され,発表会長の諸井中氏の素晴らしい企画によって大成功に終わりました.その時のテーマは,「SONOGRAPHY-技と進歩,そして心-」という素晴らしい内容でした.今回は,私どもが発表会長を務めることになりましたが,前回のテーマを引き継いで「患者に優しい超音波検査」を目指したいと願っております.
 最近,日本における医療制度の在り方が問題となっておりますが,その背景には高齢化社会や高度医療機器の発展による「医療費の高騰」や,出来高払い制度による「薬づけ検査づけ医療」などが上げられています.また,日本では医療がもたらす放射線被曝が世界平均の5倍に当たると推定されており,「医療被曝大国,日本」といわれる程です.今後,各種画像診断がさらに発達し医療制度がどのように改革されようとも,便利で安全で経済的な超音波検査を優先し,その能力を最大限に有効活用することが患者のためになると確信しております.その為には,超音波検査の信頼性をより高めること,進歩する最新技術を応用すること,適応領域をさらに広めることが大切であり,超音波検査士としての専門性をより高めることも求められます.
 今回のシンポジウムは「超音波検査の信頼性,他画像診断との比較」といたしました.超音波の信頼性を確認して,その有効活用を世に広めたいと願っております.教育講演は,世界的に有名な超音波医学者である福田守道先生にお願いし,「超音波検査機器の進歩と検査医学の在り方」について貴重な講演をしていただきます.特別講演は,「デジタル化が進む画像診断の今後と超音波診断の位置づけ」という演題で札幌医科大学教授の名取博先生にお願いしてあります.また,医療従事者の基本はペイシェントケアですので,それに関するセッションも設けました.  北海道の春は本州より遅れ気味ですが,色々な花が一気に咲き出すので楽しみな季節です.特に5月後半は札幌の花ライラックが満開の時期で,「さっぽろライラックまつり」も行われます.まつりの中心となる大通公園には,紫や白のライラックが400本以上も植えられており,可憐な花を咲かせ,甘い香りを漂わせます.気温も暖かい季節なので気持ちよくライラックの花見が楽しめます.ライラックのように人の心を和ませる優しい研究発表会にしたいと願っております.5月23日(土)には懇親会も予定しております. 多くの方々のご参加をお待ちしております.  超音波検査の有効活用が「患者に優しい医療」となり,私たちの研究活動が社会貢献に繋がることを願って,ご挨拶といたします.