平成19年度学術賞報告

理事長賞は規定に基づき機関誌「超音波検査技術」第32巻1号6号までに投稿された論文を厳正に選考し決定しました.

学術奨励賞は第32回日本超音波検査学会で発表された一般演題より選考した候補9編のうち,7編が論文として「超音波検査技術」に投稿されましたので学術奨励賞が確定しました.

なお,学術賞の授賞式は平成20年6月15日,前橋市で開催した第33回日本超音波検査学会にて執り行いました.

<理事長賞>

超音波検査技術 Vol. 32 No. 6(2007)621-627.
「肺腫瘍・縦隔腫瘍の周囲浸潤判定における超音波検査の有用性」
 山寺 幸雄(太田西ノ内病院)

[授賞理由]

肺や縦隔腫瘍など呼吸器領域は超音波検査の苦手とする部位であるが,その取り組みには斬新さが伺える.(社)日本超音波医学会の診断基準を遵守し,肺癌取扱い規約と比較した検討により,肺腫瘍,胸壁浸潤,癒着の評価,縦隔腫瘍の診断を手術所見と対比している.また,超音波検査の得意とするリアルタイム性を活かし,癒着や浸潤を適切に評価している.

本論文は,超音波の原理からも苦手な領域への普及に向けて今後の啓蒙も示されており,理事長賞にふさわしいものである.

<学術奨励賞>

  1. 低左心機能例における収縮および拡張非同期に関する検討
     渡邊 伸吾(心臓血管研究所病院)
  2. 乳癌術前化学療法における超音波像について
     井村 有希子(静岡県立静岡がんセンター)
  3. 腎移植術後急性期患者の移植腎超音波検査
     前島 基志(独立行政法人 国立病院機構 千葉東病院)
  4. 手根管症候群における超音波検査法の検討
     阿部 智信(厚生連 相模原協同病院)
  5. オスグッド病の超音波検診
     西川 志津(大阪労災病院)
  6. 心エコーによるapico-aortic conduit術前後の心機能評価
     植松 明和(独立行政法人 国立病院機構 長野病院)
  7. 乳房超音波診断ガイドラインを用いた良悪の鑑別の検討
     吉田 佳代(札幌ことに乳腺クリニック)