第29回日本超音波検査学会のお知らせ

ご挨拶

第29回日本超音波検査学会
会  長  遠田 栄一

リアルタイム断層法の登場により,飛躍的な普及と発展を遂げた超音波検査は日常臨床を始め,最先端の研究分野においても必要不可欠の手段となっています.特に,最近のディジタル信号処理技術の進歩は装置の高性能化と小型化を推進し,超音波診断法の用途拡大と画像診断法における地位を不動のものにしつつあります.しかし,装置の技術革新は超音波に限ったことではなくCT,MRIの分野でも日進月歩に進められ,超音波検査に新たな展開が求められつつあります.

そこで今回の研究発表会では「超音波維新」をメインテーマにし,画像診断法の中で超音波検査および担当技師が,どのような役割を演じていくかを模索したいと考えております.特別講演は自治医科大学病院の伊東鉱一先生をお迎えし,「超音波検査における技師の役割」と題しまして,19回目を迎える検査士認定試験の現状や今後の展望,日本超音波医学会との関わりなどについてご講演頂きます.

教育講演は2題を予定し,I部では東京都済生会中央病院の金田 智先生に「腹部エコーの進め方」を,第II部では東京大学医学部附属病院の竹中 克先生に「胸痛と心エコー」と題してご講演を頂く予定です. 両先生とも検査担当者の現場に精通しておられるため,かゆいところに手が届くようなご講演をして頂けるものと確信しております.

パネルディスカッションはサブタイトルに沿い「超音波検査の明日を考える」というテーマで,高速CT登場により超音波検査業務は変わるのか,超音波検査に明日はあるのかなどを韓国,シンガポールの技師を交えて,徹底的に討論して頂きたいと考えております.

本学会は初心者の会員のニーズに応えるため,Step up Lecture,Hands-onセミナーの開催が恒例となっております.今回も同様な企画を5題予定し,検査技術の習得や知識向上を図る会場を設けましたのでご活用ください.

先にご案内しましたように,今回は日本超音波医学会とアジア超音波医学会とのジョイント学会で,本学会初の試みです.他学会からの情報取得や諸外国の検査担当者との意見交換で,今後の超音波検査を考え,会員の皆様一人一人が「超音波維新」を模索して頂ければ幸いです.

多くの会員の皆様の参加で,活気あふれる会にしたいと考えております.

多数の皆様の参加を役員一同,心からお待ちしております.