このたび、第39回日本超音波検査学会学術集会の大会長を拝命しました愛知県岡崎市民病院の林重孝です。第39回学術集会は平成26年6月13日（金）～15日（日）の3日間、名古屋国際会議場にて開催させていただくことになりました。中部地区で本会が開催されるのは2003年の第28回日本超音波検査学会山崎良兼学会長以来、実に11年ぶりの開催となります。

　メインテーマは『知と技の融合～Improving One’s Learning Capacities and Skills』といたしました。‘知’は知識と知恵、‘技’は技術、融合とは溶け合ってひとつのものになることの解釈から、知と技を一つにして医療の現場に貢献することが私たち超音波検査に携わる者の本来の姿であることから導き出しました。また開催地の愛知県は日本のほぼ中心に位置することから、日本列島の中心から超音波の波動を発振しているイメージをポスターにいたしました。私たちが発振するメッセージが日本中に拡がって欲しい・・・そんな思いを込めております。

　学会企画として、特別講演を中京大学スポーツ科学部の湯浅景元先生に「トップアスリートに学ぶ健康法～腰痛、肩こり解消法～」と題し講演していただきます。超音波検査に関わる私たちは、多かれ少なかれ、日常、腰痛・肩こりに困ってみえる方も多いと思います。その解消法をトップアスリートのトレーニング法に絡めてスポーツ科学の分野から講演していただきます。また、US健康フェスティバルと称し公開講演「健康に感謝（Thank you・39）」を企画いたしました。あいち健康の森健康科学総合センターの津下一代先生、私たちを代表して鹿児島大学病院の水上尚子先生、国立病院機構相模原病院の山口秀樹先生に、私たちが関わる超音波検査が一般の方々に認知されることを願い講演をお願いしました。学術講演は国立循環器病研究センターの白石公先生に「先天性心疾患の超音波診断に役立つ心臓発生学の知識」，名古屋大学の廣岡芳樹先生に「膵臓の超音波診断指針」にお願いしました。両分野とも大変興味ある内容となっています。ご期待ください。また教育講演はJA北海道厚生連札幌厚生病院の市原真先生に「超音波・病理対比～消化器診療の要を担え～」、藤田保健衛生大学の岩瀬正嗣先生に「負荷エコーの有用性と問題点」、香川医療生活協同組合高松平和病院の何森亜由美先生に「乳腺超音波　正常解剖と病変の立体構造どうとらえるか」と題し講演していただきます。各分野でタイムリーな内容と思います。多数のご参加をお願いします。
共催セミナー、エデュケーショナルセミナーも皆様方の期待に沿えるよう、各分野における著名な先生方に講演をお願いいたしました。いずれも即、役に立つ内容となっておりますので、多くの方々の聴講をお待ちしております。シンポジウム（日本超音波医学会・日本超音波検査学会ジョイント企画）は、私の最も知りたいER（救急外来）での超音波検査の現状をディスカッションしていただきます。超音波検査の今後の方向性が見いだせればと思います。パネルディスカッション（検診，心臓，腹部の3領域），ワークショップ（超音波道場と題して症例クイズを開催），日本超音波医学会「機器及び安全に関する委員会」・日本超音波検査学会「安全委員会」共催企画などを設定いたしました。それぞれ活発な討論が展開されるものと期待しています．展示会場では多数の協賛企業様にご協力をいただいております。この機会に是非最新の機器に触れてみてはいかがでしょうか。また超音波広場と称して、「運動器」「TCD」「頭頸部」「冠動脈と３Dエコー」「虫垂」についてデモンストレーションを行います。会員の皆さまに気軽に立ち寄っていただいて、日頃の悩みを相談していただければと思っております。そして、超音波検査を行うに適したモデル検査室の展示も行う予定です。私たち超音波検査に携わる技師にとって身体に優しい検査室を体感してください。

　愛知県は三英傑で有名な織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の出生地で、会場周辺には古戦場など歴史を感じる名所もあります。名古屋城の本丸御殿も復元されました。また、トヨタや三菱重工、川崎重工などの生産拠点もあり「物づくり」でも有名です。宮崎駿監督の最新作「風立ちぬ」の舞台となったのも愛知県で、ゼロ戦を生んだ技術はリニア中央新幹線や宇宙開発に貢献しています。そして食文化でも、ご当地ならではのグルメが盛りだくさんです。私の地元、岡崎市の八丁味噌を使った味噌煮込みうどんもご堪能いただければと思います。また、朝食は喫茶店でのモーニングサービスがお得かもしれません。

　参加されたみなさま方には第39回学術集会で知と技を習得していただき、勉強の合間に歴史、技術、味の愛知を満喫していただけるよう、実行委員一同、鋭意準備しております。多くのみなさま方のご参加を心よりお待ちいたしております。

平成26年5月吉日