
一般社団法人日本超音波検査学会
理事長 尾羽根 範員
2025年6月,横浜におきまして当学会の節目となります第50回学術集会を開催いたしました.同会場での定期総会におきまして3期目となる理事長を拝命し,謹んでご挨拶を申し上げます.
現在,当学会では地方会,講習会の開催や,機関誌発行,ホームページへの教育ツールの収載など,各種事業を展開しています.それらの多くがオンデマンド配信などWEBツールを活用して容易にご参加いただけるよう配慮しています.その一方で現地の参加者数が伸び悩み会場設定にも苦慮するような状態が続いています.当学会の学術集会は第47回以降,現地開催に戻しており,今回の第50回でもたいへん多くの方にご参加いただくことができました.演題や講演など壇上のお話を聴くだけでなく,新たな出会いのほか,知己と旧交を温めたり,フロアでの何気ない会話からインスピレーションを得たりと,人と人とをつなぐ場であることをあらためて感じることができました.現地でしか得られない刺激を重要視したいと考えつつも,学会参加に対する考え方の変容があることもまた事実であり,企画のあり方や意義の再検討に着手しているところです.
ここ数期にわたって継続して取り組んでいます精度管理事業では,そのひとつである画像コントロールサーベイに例年600施設を超える皆さまにご応募いただいています.精度認定制度にも多くとは申せませんが一定数のご施設にご応募いただいており,今後もその定着に向けて活動を継続してまいります.第50回学術集会で開催しました「超音波精度管理の集合知」という企画では,当学会で開発した教育資材を用いての走査手技講習のほか,装置の簡便かつ確実な精度管理ツールへの発展を予感する機能など,たいへん興味ある内容で,日常検査に密着し検査精度の向上に直結する精度管理事業を展開する意を強くいたしました.
このほか,各種企画への参加登録方法の改善,運営にあたる委員の皆さんの労力軽減など各種システムの改修や機材の更新,これまであまり意識されていなかったことを省みての倫理面の強化などに取り組んでいます.さらに,冒頭に述べましたように学術集会が節目となる第50回を迎えたことを機に,記念刊行事業として会員の皆様のお役に立つような書籍の発刊を進めています.
今後もさまざまな事業に取り組んでまいりますので,皆様のご協力をお願いいたします.
